再登校事例

いじめによる不登校 女子高校生アスカさんと弟D君 Vol.3

女子高校生アスカさん Vol.1 不登校に至るまでの経緯

D 君の2回目のカウンセリングでご自宅へ伺った時の、アスカさんの初回のカウンセリングです。
 
アスカさんの目はどこか虚ろで疲れた感じもあります。毎日激しい解離性障害に苦しめられているのだから仕方のないことでしょう。
 
改めてアスカさんとお母さんから不登校に至った経緯を教えてもらいます。
 
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中3の6月頃
クラスメイトのひどいいじめが始まり、毎日嫌がらせを言われるように。
消しゴムを隠される、
似てもいない似顔絵を描かれて皆に廻される、
いじめる側の仲間が増えていって、ゴリラの真似をしろと言われる、
机の上にお花を置かれる、
筆箱に花を入れられる、
カマキリを身体におっつけられる(アスカさんは虫が大嫌い)、
プリントと一緒にセミの抜け殻を廻される、
色が黒いから「おばあちゃんがブラジル人」といわれる、
アスカさんが「やめて」というと、机を囲まれてお笑い芸人の響の真似で「どうもすいませんでした」と言われます。
 
中3の11月下旬
吐き気と下痢を発症、教室に入れなくなって(毎日自力では行くけど遅刻)別室登校に。12月に入ってから夜にお母さんが車で送って、30分ぐらい先生と話をして帰るようになりました。
日中は体が動かない状態になり、夜も眠れません。全身が痛く(ちょっと触っただけでも痛い)、頭痛がひどくて頭が持ち上がらず、ちょっと動かすのも大騒ぎ。
 
中3の12/30
Hクリニックへ行き「PTSD」と診断。抗うつ剤、抗不安薬、サプリメント(ナイアシン)など5種類の薬を1日30錠飲み、楽にはなったが、頭が痛い、起き上がれない、などは変わりませんでした。
そして生活がめちゃくちゃになり、病院へ行く日だけは起きられるが、それ以外の日は全く起きられない日が続きました。
 
中3の1月
私立高校の受験でしたが、受験会場に行くことすらできず、受験が終わった時間に目が覚める始末。学校の先生もその日来てくれましたが、死んだように寝ていたといいます。
 
中3の2月
県立高校の受験があり、それは受験できました。集中力はなかったが、大人の人とは受け答えができるので何とか頑張り合格。
しかし中学からは「来なさい」と言われていたが、夜も行かなくなりました。
徐々に寝たきりから脱出。
 
2月後半から犬の散歩に行けるように。以前に比べたら良くなっていましたが、急に泣き喚いて「死にたい」と言ったり、「いじめた人を許せない」と言い始めたり、学生が怖くなってきました。
 
さらに、無意識で四つん這いになって目をつぶって、お母さんとおばあちゃんを追い掛け回して噛み付き(本人は全く覚えていない)、寝ていてうなされて(重い布団を片足で持ち上げて)足をばたつかせて暴れ(30分ぐらい)、2~3時間(眼を閉じたまま)食べ物の名前を言い続けたり、生き物の名前を言い続けたりするように。
(こういう症状を解離性障害と言います。なお医師の診断名ではありません。)
 
中3の3月
昼起きている時間は長いけど「自分じゃない」。声も代わって多重人格に。お母さんを見ても「知らない人がいる」と言う。出かけても言ったことも憶えておらず、記憶障害のような感じ。その頃は暴力的だった。
(多重人格は、解離性障害の中の”解離性同一性障害”という病名です。記憶障害も解離性障害の一種、“解離性健忘”です。)
 
高1の4月
高校に行けたのは、入学式と次の日。
それ以降、起きて支度はするのですが、食事をしようとすると吐き気が止まらなくなって、全身が脱力、脱力と同時に意識も無くなり台所や廊下、いろんなところで倒れるように。
声をかけるとまた起きる時もあるが、基本的には起きられません。
(突然失神、意識を失うのは、解離性障害の一種“解離性転換性障害”です。)
1時間ぐらいで目が覚め「学校に行けなかった」と思って家で過ごすそうです。
高校は計3日しか行っておらず、担任の先生は「体を治すのが先ですね」と言ってくれています。
 
Hクリニックは薬が全く減らないため、Uクリニックに行くように。
初回は交替人格の時に行ったのでワケが分からず。2回目は主人格の時に行ったので、ちゃんと受けられました。
薬は減って今は抗不安薬と安眠剤のみ。今は朝8時頃声をかけると起き、お風呂も入れるようになって、着替えもできるようになりました。
 
しかし苦しんだのはアスカさんだけではありません。
 
お母さんは、Hクリニックでは「甘えさせなかったんでしょ」、Uクリニックでは「性格が荒れるのは家庭環境でしょ」と言われ、母子家庭であるため何も言い返せず、悔しい思いをしました。
 
アスカさんは、中学ではスクールカウンセラーにいじめ行為を説明して、その時の自分の気持を今吐き出す、高校の受験の話をする、体の状況を話す、担任の先生の話をするなどをしてきました。しかし結局何も変わらず。
 
さらに催眠に4月から毎週、十数回行きました。おじさん先生は「ムリに学校は行かなくていい」。飼い犬の話やおじさん先生の過去を話していたそうです。
お母さんには「甘えさせてください。学校は行かなくていい」。
 
お母さんは当然納得できません。学校へ行ってほしいのです。
アスカさんも学校へ行きたいといいます。
 
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離婚前に泥沼の夫婦ゲンカが繰り広げられていましたが、私が確認する限り、姉弟に直接のトラウマはなし。
 
第三因子はないとして、第二因子は現状で把握するのが難しいと判断、第一因子のみ追求することにしました。
 
そしてアスカさんのすさまじいストレス履歴が明らかになりました。